わすれっぽいきみえ

みらいのじぶんにやさしくしてやる

映画『CURE』を観た

ニコ生で『CURE』がやってたので観た。いつ以来かわからないがすごく久しぶりだった。懐かしい。

CURE キュア [DVD]

CURE キュア [DVD]

  • 発売日: 2007/07/27
  • メディア: DVD

ジャンル的にはサスペンススリラーで、ニコ生ではホラー特集の一環として放送されてたけど実際にはホラーとは言えないと思う。死体は確かに出てくるけどもキャーキャー騒ぎたい人には向いてない。スプラッターでもない。サイコパスが出てくる映画とも違う。ある人物に出会ってしまった人々が淡々と静かに変わっていく様子をビクビクしながら見る映画。

あらすじ

ここ数日頻発していた殺人事件。犯人も被害者も動機も全てバラバラだが、殺しの手口が共通していた。それは被害者の胸をX字型で切りさくというもの。殺害方法はマスコミにも明らかにしていないにも関わらず共通した手口の殺人が起こることを不審に思った主人公・高部は、友人でもある精神科医・佐久間とともに捜査を進めていた。その捜査線上に、記憶喪失の男・間宮という人物が浮かんできたのだが…。

雑感

間宮役の萩原聖人のハマり役が非常に気持ち悪くて良い。透明感のある男性で、こっちまで引き込まれそうな声と動きに目が離せない。周囲の催眠術をかけられてしまった人々も、じわじわでもなく急に引き込まれていく様子が怖さを加速させる。「あ、今かかった」というのがわかる。うじきつよし役所広司の演技もすごく良くて、催眠術にかかってるのかかかってないのか微妙なラインで揺れてる感じが伝わってくる。「これはかかったのか?現実か?妄想か?」と見ているこっちも何が本当なのかがわからなくなってくる。

カットも結構印象的で人物を追いかけるのではなく遠くからの固定視点が多くて、まるで日常風景のように殺人や会話を映し出す。実際には精神を病んだ人の会話だったり、殺人事件の展開だったりするので、余計違和感が際立って緊張感・緊迫感が増幅される。固定視点だからこそ「横から何か出てくるんじゃないか」「奥から何か出てくるんじゃないか」と妙な想像をしてしまう。

ただとにかく最初は我慢がいる映画だなーと思うw 最初はグダグダと話をしているだけに見えるし、間宮もなんか煽ってるだけで何したいんだこいつという気持ちになるが、とにかく我慢して我慢して話を見守ってたら「おや?」と思う瞬間が訪れて、何かのボタンが押されたことに気付くのがたまらん。でもそのたまらんなーと思うところまでいくのにちょっと時間がかかるので、せっかちな人には辛い映画かもしれない。

この映画の私が気に入ってる点はわっと驚かせる映画ではないところ。日本映画でホラージャンルに入るものって基本的に地縛霊だったり呪いだったりするし、マジキチサイコパスが出てくる映画もなんかコングラッチュレーションって叫びだすし怖がらせるというよりも驚かせるビックリさせる感じの印象を受けるんだが、この映画は中から蝕まれていく映画でとても生々しくて、でも昼ドラとかでいうような生々しさではなくあくまでも恐怖を誘う演出でじわじわくる感じがとてもいいと思っている。

今回ニコ生で映画を視聴したのが初めてで「ハンニバル・レクターと間宮が戦ったらどっちが勝つだろう?」というコメントが流れたのが面白かった。まぁレクター博士だろうなー。だってレクター博士は人間を食い物(物理)にするし、催眠術がかかるとはとても思えないので話にならないと思う。戦うフィールドも違うし。

確か『CURE』がやってた当時はまだ私は小学生だったので、話の筋がよくわからなかったことを覚えている。主人公の奥さんは初めから精神を病んでた。私の記憶では主人公が間宮と関わったことで発病したことになってたが、実際にはしょっぱなから精神病院でカウンセリングを受けてた。ただなんとなく流れる不気味な雰囲気と残虐な殺され方の死体の映像と間宮と関わりが深くなるとともに奥さんの病状がより悪化したというのは合ってた。

この映画見る前に『Shall we ダンス?』をみて役所広司について予習しておくと、ギャップ萌え素敵だと思えるはずです。

Shall we ダンス? [DVD]

Shall we ダンス? [DVD]

  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: DVD

あと萩原聖人の最近の作品を全く知らないのですが、爽やかさでいけばケツメイシの「さくら」のMVとかいいんじゃないでしょうか。

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